紀伊半島の環境保と地域持続性ネットワーク 紀伊・環境保全&持続性研究所(三重県津市)
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 三重県津市大里窪田町の大沢池 

 三重県津市大里窪田町の大沢池は、新しくなった県道10号線から数十m入ったところにある。北側の岸は道路に沿い、細長いため池の下流側の岸もコンクリート堰堤となっている。昨年(2006年)、この大沢池でヒシが池全面に繁茂している光景を眼にしたので、若干の調査を行い、「津市のため池におけるヒシ(水生植物)の異常繁殖」として、その内容を掲載した。

 道路の対岸には、タケが生い茂っている。昨年、しばしばこのため池へ観察に通ったが、アオサギ、カイツブリ、セキレイが定住し、時に、カワウが群をなして飛来し、堰堤の階段で休んだり、遊泳し餌を獲っていた。たまにカワセミが飛んで来て、池の取水口の鉄パイプに留まっていたりするのを見かけた。冬は、水鳥が来て池を遊泳していたが、人が近づくと、すぐに向こう岸近くに行ってしまうので、種類を確かめるためには望遠鏡が必要であった。

 ため池の下手にレストランがあるので、2階の部屋でランチを食べてみたが、窓から見えるため池の風景が、「額縁」の中の絵のように見え、たまに、アオサギが「額縁」の中を飛んでいるのが見られた。このため池の環境が悪化すると、訪問客の数にも影響するだろうなと、ランチを食べながら思った。

 対岸の竹林の中の道を歩いて見ると、ブルドーザーが道を切り開き、樹木や竹が伐採されていた。また、道路沿いの護岸の内側には、空き缶、ペットボトルなど投げ捨てられたゴミが目立ち、心ない行為を残念に思う。

 大沢池には、安濃町安濃に端を発し、安濃町内多を通る小川の水が常時流れ込んでおり、大沢池は調整池的な性格がある。田んぼへの水の供給とは別に、大沢池の排水孔からあふれ出た水は、毛無川となって、一身田の寺内町の南側の堀を通り、その後、志登茂川に流れ込んでいる。
 

(写真をクリックすると拡大します)
三重県津市大里窪田町の大沢池
 大沢池の西側の岸から、下手に設けられたコンクリートの堰堤と、左右の岸を見る。 
大沢池のコンクリートの堰堤
 大沢池の下手のコンクリートの堰堤は、階段状になっている。堰堤付近の水面に枯れたヒシの実が打ち寄せられ、漂っている。
大沢池の改修石碑
 石碑には、大沢池の改修が紀元2600年を記念して行われたと書かれている。その年は昭和15年(1940年)にあたる。なお、コンクリートの堰堤に変わったのは戦後ずっと後のことである。  
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